カリグラフィーには、文字の形そのものが持つデザイン性、ことばの表現性、線の即興性、間や空間で表わされる精神性など、様々な芸術的要素が存在します。そして、近年のカリグラフィーは、書体そのものの美しさを表現する伝統的なスタイルから、独創性のある芸術的な表現へと発展し、カリグラフィーというジャンル自体の範囲が広がっています。その幅広い範囲に存在する表現の背景にあるのは、書物や碑文の歴史、活字との密接な関係、道具や画材等メディア選択肢の広がり、欧文アルファベットとは異なる文字文化からの影響などです。こうした範囲の広がりによって、「カリグラフィー」の外側に「レターアーツ」という包括の枠が近年新たに生まれました。このレターアーツという呼称は、欧米では徐々に浸透しています。J-LAFは、この「レターアーツ」を、カリグラフィーや書といった手書きだけではなく、活字やレターカッティングなど、様々な分野に及ぶ広範囲な文字芸術と明確に定義付けました。
[J-LAF主催] 日本・ベルギー レターアーツ展 / 2009.7